PR

【半うつ 憂鬱以上、うつ未満】レビュー|頑張り過ぎてしまったあなたへの読む薬

半うつ 憂鬱以上、うつ未満の表紙

家事も仕事もできる、でも、なんとなく心が晴れない。
あなたはこんな経験ありませんか?

それは、怠けなどでは無く身体は動くけど、心が動かない「半うつ」という状態かもしれません。
今日はそんな方に向けて、平光源さんの「半うつ 憂鬱以上、うつ未満」という本を私のレビューも踏まえながらご紹介していきます。

実際に、私もこの本と出会い救われた人間の1人。
「最近なんだか心が踊らない」
そんな方におすすめしたい優しい1冊となっていますので、この記事で魅力を伝えていきます。

半うつとは?

半うつは、健康な心の状態と治療が必要なうつ状態の間を指す心理状態です。

わかりやすく噛み砕くと、本書のタイトル通り
「憂鬱以上、うつ病未満」
このグレーゾーンが「半うつ」という状態です。

半うつ状態のチェックリスト

とはいえ、半うつ状態の人は、ほとんどの方の場合まだ大丈夫と頑張りがち。
ですが、著者いわく現代では「5人に1人が半うつ状態」だと語っています。

ですので、ここで半うつ状態かどうかを測るための簡単なチェックリストを用意しました。

  • 頭がモヤモヤしてスッキリしない
  • 嬉しいことや美味しいものを食べても心から喜べない
  • 夜すぐに寝付けない
  • 朝中々起きられない
  • 本や資料を読んでも頭に入らない
  • 自分を責めることが増えた
  • 家事が今まで以上に億劫に感じる

どうでしょうか。
これらに該当するものはありましたか?

もし一つでも最近で思い当たる節があるなら、
「身体は動くけど、心が踊らない」
半うつ状態かもしれません。
ちなみに、私も仕事で押しつぶされてしまった時を思い返すとほぼ全てに当てはまっていました・・・

半うつ状態を判別する必要性

筆者は、半うつ状態を判別することの重要性は、主にその後の回復の早さにあると綴っています。

例えば、半うつ状態の人がそのまま頑張り続けた場合。
何か特別状況が改善されなければ、そのままうつ病へと向かってしまいます。

そうなると、治療にかなりの時間を要してしまい、その間多くの苦しみに苛まれることになってしまいます・・・

ただ、半うつの状態で適切なケアができればダメージも少なく、短期間で元の健康な状態へ復帰することが可能。
また、精神科への受診のハードルを下げるためにも、この状態を定義することが大切だと考えています。

私も、ギリギリの状態でこの本に救われ精神科を受診することで、ダメージも少なくある程度安定した状態で生活を送ることができるようになってきました。

半うつ状態の人の回復とより健全になるためのステップ

続いて、本書では回復するためにはこの4つのステップが大切だと綴られていました。

  • 心の燃料を補給する【しっかり食べてよく眠る】
  • ほどよいブレーキのかけ方【セロトニン】
  • 適切なアクセルの踏み方【ノルアドレナリン】
  • 止まりかけたエンジンを動かす【ドーパミン】

また、この4つのステップを順番通りに踏むことで、これまで通り健全で安心した生活を送ることができるようになります。

心の燃料を補給する【しっかり食べてよく眠る】

まずは、回復と次のステップのために「本来の状態に戻る」ことが大切です。

そのためには、兎にも角にも人間の基盤となる睡眠と食事を整えることが最も大切。

具体的には、まず週3日以上は6時間以上の睡眠を取り、3食しっかりと食べる。
そして自分が今良くない状態だと責めないことが大切です。

このステップで私がハッとさせられた言葉として
「重要なのは変化ではなく、メンテナンスなのです。」
という言葉が綴られていました。
つまり、今のあなたは何か悪いわけでは無く、ただ心のガソリンが不足しているだけなのです。

ほどよいブレーキのかけ方【セロトニン】

人生の旅路において最も大切なの装置が「ブレーキ」。
このブレーキの役割を担っているのが「セロトニン」という物質です。

この物質を出す方法として、ほんの少しの散歩やストレッチなど小さな一歩から始めみることが大切だと綴られていました。

また、言葉の薬としてこんなことも綴られていました。
「頑張り過ぎない人のほうが、遠くへ行ける」

皆さんも今一度、本当に価値のあるものや時間についてほんの少し考えてみるとスッキリするかもしれません。

適切なアクセルの踏み方【ノルアドレナリン】

ノルアドレナリンは、やりたいと思ったことを行動に変えるための物質です。

そして、適切なアクセルの踏み方とは、無気力と活動しすぎのいわば“感情のジェットコースター状態”を作らないこと。
そのためにも、

  • 週に一日だけは自分だけの静かな時間を過ごす
  • 逆に、週に一日だけは誰かと触れ合う時間を過ごす
  • 1日1時間は、スマートフォンを全く見ない時間を過ごす
  • 仕事中や作業中も2時間に一回はコーヒーブレイクを挟む

こういったメリハリが大切だと著者は綴っていました。

また、この章では
「アクセルを踏みすぎてしまうのは強い責任感の現れであなたが悪いわけじゃない」
と優しい言葉も読者に語りかけてくれていました。

止まりかけたエンジンを動かす【ドーパミン】

心がワクワクするといった、いわば行動の原動力となる感情を司るのがドーパミン。

実は、医学的にはこの感情が最後に回復してくるといいます。
理由は、最もストレスでダメージを受けやすい物質だからとのこと。

なので、回復期に落ち込んだりするのは、むしろ感情が動いてきた証拠。
着実に回復へ向かっているので、何も楽しくない時には少しでも喜べるものを取り入れる時間を作るのが大切です。

とはいえ、ペースは人それぞれ。
自分の歩幅でゆっくりと歩いていきましょう。

半うつは怠けている訳じゃない

これは、本書を読みつつ私も感じていた共通点の1つ。

それは、現代が半うつになるのも仕方が無い世の中だということです。

会社では、常に効率を求められ誰かと比べられる。
家に帰ってSNSを覗けば他人のキラキラした投稿や対照的な暗いニュースばかり。
おまけに、日本という国の先行きすらも重苦しい。

こんな状態で、私たちは毎日ジリジリと削られていってしまうのも仕方がありませんよね。
半うつは、あなたのせいでも無く歪んだ社会構造のせいかもしれません。
どうか自分を責めずに、自分を辛いと認めて味方になってあげてください。

半うつを読了しての書評

本書最大の魅力は、医者目線だけではなく、1人の人間として読者に向き合ってくれていること。

こういった本でありがちなのが、実用書的な淡々と事実が記載されているといったもの。
健康的なメンタルの状態で読むにはサクサクと読めて良いのですが、デリケートな状態で読むとなんだか無機質な言葉に胸を痛めてしまうこともしばしばあります。

対して、本書は著者自身が半うつという状態を経験していることもあり、寄り添うような言葉が優しく、読んでいて苦しくなることがありませんでした。
また、本記事では伝えきれなかった実用的なアドバイスも多数綴られています。
ですので、メンタルがデリケートで塞ぎ込んでしまいそうになっている方にもぜひ読んでいただきたいです。

あなたがこの本を通して、少しでも心が安らぐ日が来ることを心より願っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました